先週末、高校総体県予選を見に行った。

知人や高校指導者らに、『　是非試合を見に来てください　』　と言われていた。
スケジュールの合間を縫って、近隣の会場に行ってきた。
会場に着くと、たまたま会った高校の監督さんに、　『　スカウティングですか？　』 と言われた。
俺は、　『　いやいや、今は、スカウティングをする必要が無いので　 』　と笑う一場面もあった。

現地で３試合見たのだが、自分が関わった子供たちが、高校２、３年生にいて、ピッチで活躍していた。

数年前、俺は、AC長野パルセイロでジュニアユースの監督をしており、所属選手の指導や、地域の小学生をスカウティングしていた。
地域の試合等で、小学５年生くらいから、才能のある、将来性のあるタレントを探していた。
当時、タレントが何処のチームにいるのか、またタレントの名前など全て把握していた。

俺が自分の目でチェックしスきたタレントのほとんどが、パルセイロのジュニアユースセレクションを受けてくれていた。
中には、セレクションの申し込みが無いトップタレントがいて、所属チームの監督さんに挨拶に行き、ぜひ受けて頂きたいとお願いにも行った。
当時、ジュニアユース加入選手の編成を担っていたため、数年が経ち、久し振りに高校生としてピッチに立つ彼らの成長を見るのは、楽しかった。
皆んな、身長が伸び、身体もゴツくなり、顔つきも高校生らしく精悍になっていた。
現高校３年生までは、俺が直接指導した選手たちで、彼らと一緒に過ごした時間を思い出しながら、高校総体予選での彼らのプレーを見ていた。
現２年生は、当時トレーニングや試合を直接担当はしなかったが、スカウティング、編成、獲得した選手たちなので、彼らが小学生や中学１年生の頃を思い出し、懐かしく思いながら、ピッチでの活躍を見た。

これらの試合で、嬉しい事があった。
中学時代に活躍できていなかった子達が活躍していた事。
俺がクラブを離れた後、活躍できていない子達の話を聞いていた。
中学年代は、成長期で身体が物凄く大きくなる。
しかし、その成長段階には、個人差がある。
みんな必ず成長するのだが、成長する時期が早いか遅いかは様々だ。
おおよそ中学時代に活躍できない子は、成長段階が、他の子より遅い子が多い。
中学時代に活躍できていないと聞いていた子達が、高校総体予選のピッチで活躍していた。
その勇姿は本当に嬉しかった。

育成に携わる指導者として、自分が関わった選手達のプレーを見るのは楽しみだ。
それは、ブンデスリーガ、Ｊリーグのようなプロサッカーだけでなく、高校や大学の試合でも同様だ。
彼らが、どのように成長しているのかを見ることが出来る。
育成年代で自分が関わり続けるのは、なかなか難しい。
だから、どこにいても子供たちの成長がいつも気になる。
そして、彼らを見たいという気持ちになる。

先週末、かつて関わった選手たちの、成長した姿を見られて良かった。
彼らに、更に活躍し、成長することを願う。