先日、親父と息子と三人で北アルプスの常念岳へ登った。
なぜ、親子三代で登山をするようになったのか。
そもそも、私は全く山の愛好家ではなかった。
しかし、息子が小学6年生だった2年前、松本の実家で親父が言い出した。
『 孫を連れて北アルプスへ行きたい 』
親父は、元山岳部で山の愛好家。
近年、両親二人揃って、しょっちゅう山へ行っている。
北アルプスはともかく、海外登山へも出掛けている。
そんな両親だから、かわいい孫に山を体験させたいということは、理解できた。
しかし、親父は付け加えた。
『 お前は、親としての責任があるから、一緒に行け! 』
私は ??? だった。
何故なら、両親と息子と三人で行くものだと思っていたから。
そんな流れで、山の事を全く知らない、分からない私と息子は、親父に連れられて北アルプスへ行った。
二年前に登った山は、槍ヶ岳。
私も息子も、槍ヶ岳が、どんな山かも知らなかった。
頂上まで登ったから、後で知ったが、標高は、日本第五位。
北アルプスの至宝と呼ばれる。
槍ヶ岳山荘から頂上への最後の部分は、鉄の鎖あり、垂直のはしごあり、とんでもない場所へ来てしまったと思った。
無知とは怖いものだ。
小学生だった息子は、最後の岩場の岸壁で
『 俺、もう無理、、、 』
と弱音を吐いた。
断念しそうだった。
息子だけではなく、正直、私もかなりビビった。
爺は、孫に向かって、 『 下を見るな! 』 と言い続けた。
命綱無しで、岸壁に付いている垂直の階段を上がる。
まじか、、、 の一言だった。
山のスペシャリストの爺に連れられて、なんとか頂上まで辿り着いた。
そして、頂上で見た、あの景色は、忘れられないものだった。
二泊三日の槍ヶ岳登山は、私と息子に、強烈なインパクトを残した。
昨年、私と息子は、自ら親父に北アルプスへ行きたいと伝えた。
一昨年は、半ば、強制的に連れて行かれたが、昨年は、自分たちが行きたかった。
しかし、登山予定の日に、天候が悪く中止となった。
山岳部で育った親父は、山の怖さを知っている為、山の素人の我々を天候が悪い山へは連れて行かなかった。
そして、今年、また、私と息子は、親父に北アルプス登山をお願いしていた。
当初8月に予定していたが、スケジュールがダメになり、延期。
そして、10月の今回になった。
2年前、一緒に槍ヶ岳へ行った祖母は、今回残念ながら怪我をしていて不参加となったが、親子三代での2度目の北アルプス登山となった。
私と息子は、今、来年も北アルプスへ行くつもりでいる。
74歳と高齢になってきた両親に、来年、一緒に登る為に、日々、ウォーキングをして体力つくりをしておいてくれ、と話している。
親父自らが、『 だいぶ筋力が落ちてきている 』 と言っているので。
この年になって、両親から、山という新しい世界を教えてもらった。
長野県出身でありながら、今更だが、、、笑
両親に感謝。