日曜日の夕方、東京・麻布十番で　One World （美容室）を経営している親友（Ｄ）が同僚と共に長野へやってきた。

Ｄは、ドイツ・ミュンヘン時代の親友だ。
俺は、仕事を終えてから長野駅へ彼らを迎えに行った。
そして、車の中で何をしたいか聞くと、Ｄは、『　温泉とバーベキュー　』　と言った。
東京で自分の店を経営し、バリバリと働いているＤの美容室は、外国人のお客さんばかりだ。
欧米人は、夏休みになるとバカンスで自国へ帰国する。
だから最近、欧米人の夏休み前で、とにかく沢山のお客さんが朝から晩まで来ていたので、超多忙だったらしい。
彼らは、東京でのあまりの忙しさに、のんびり出来る時間が欲しくて長野へやってきた。

ということで、早速、長野市を一望できる露天温泉へ行った。
そしたら小雨が降りだしたので、俺は、残念だがバーベーキューは止めだなと思っていた。

温泉からの帰り道、Ｄ達が、どうしてもバーベキューをやりたいと言うので、庭にテントを立ててみた。

肉だけでなく、長野産の新鮮豊富な野菜をたくさん食べた。
食通のＤは、長野の野菜を旨いと喜ぶ。
バーベキュー後、焚き火をしながらワインを呑んでいたが、Ｄも俺もベンチの上で爆睡。

翌朝、朝から庭でコーヒーを飲みながら朝食。
ヨーロッパの朝食みたいだ。
前日、雨の中でのバーベキューだった為、テントを出しておいたら日除けになり涼しくて良い。

その後は山へ車を走らせ、自然の中へ連れて行った。
山が見える露天温泉に入り、山が遠く一望できるテラスでランチ。
仕事の無い彼らは、昼から生ビール。
羨ましいが、俺は、午後から仕事だったので、ノンアルコールビア。

山、湖を眺めながらのランチは最高だった。
そして、2人は、昼過ぎの新幹線で東京へ戻っていった。
Ｄは、長野の野菜を色々買って、ダンボールに詰めて、箱を抱えて持って帰った。
東京の近所のスーパーで、このような美味しい野菜は買えないらしい。

日頃、コンクリートの建物に囲まれた大きな街に住み、そこでバリバリと仕事をしているＤ達にとって、長野の自然は最高らしい。
彼らに、自然の中でのんびりとした時間を過ごしてもらおうと思ったが、俺にとってもリラックスできた。
時間がのんびりと流れていた。

日々時間に追われて生活しているからこそ、良い活力を見出す為にも、勇気を持ってゆったり時間を作りだすことは大切だ。