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大人の見守る力!で子供は育つ

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先日、ドイツサッカースクールが始まる前、子供たちが3人早くやってきてボールを蹴っていた。

 

すると、小4のRくんがボールを上に蹴り上げた。
ボールは、2階のネットに引っ掛かってしまった。
落ちてこない。
Rくんは、しばしボールを眺めていた。
しかし、ボールは高くてどうにもならない場所に行ってしまった。

Rくんは、私のところへやってきた。
『 ボールが上に乗っちゃいました。取ってください 』
俺は、シモコーチに聞いてごらんと言った。
何故なら、シモコーチは、2階へ上がるドアの鍵を持っていたからだ。

そしたら、シモコーチはRくんに言った。
『 ボール乗っちゃったな。どうしようか~ 』
Rくんは、しばし沈黙。
すると動き始めた。

体育館にいた他の子供達が、器具庫から何やら自分の背丈より高い台を取り出し、引っ張ってきた。

 

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バレーボールに使う審判が座る台だ。

 

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Rくんともう一人が、下で台が動かないようにしっかり持つ。
一番背の高い6年生が棒を持って台に登る。

 

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そして、棒でボールを落とそうとした。
しかし、棒の長さが足りず、なかなかボールは落ちない。

 

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最後、緑のネットを棒でしばらく揺すったら、ボールは落ちてきた。
3人の協力と努力でボールが無事に戻って来た。

 

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私は、シモコーチがドアの鍵を持っていたので、鍵開けをお願いするつもりだった。
シモコーチもどうすべきかは、理解していたはず。
しかし、上がったボールを見ながらシモコーチは子供達に問いかけた。
どうしようか~、と。

それを見ていた他の子たちが素早くアイディアを出した。
Rくんも一緒になり、3人でボールを落とす作業をした。
その間、シモコーチは、全く手を出さず、じっと子供たちの様子を眺めていた。

 

大人がアイディアと手を出せば、簡単にボールは戻ってきただろう。
しかし、子供達は考え、行動できた。
このボール騒動の結末は、子供が自分でやった事に責任を持ち、自分の力で成し遂げた充実感で終わった。

子供達は、ボールが落ちてくる瞬間、かなりの盛り上がりを見せていました。
この子供達の成功経験は、子供たちに自信を与え、自立にも繋がります。

子供たちにアドバイスをせず、手も出さなかったシモコーチ。
この一連の出来事を、子供達の成長の場と捉えて、子供たちの安全を最初から最後まで見守り、確認していた。
我慢する素晴らしい大人、指導者でした。

 

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