モスクワから飛行機でヴォルゴグラードへ移動。
空港からホテルへ向かう為に、タクシーを探す。
タクシーの横に立っていた運転手に英語で、いくら? と聞くと、運転手は、ドアを開けてタクシーの中へ。
ん???
と不思議に思ったら、運転手は、スマホを持って再登場。
彼は、スマホの計算機を使って金額を打ち込み、私に見せた。
彼は、全く英語がわからないらしく、スマホを活用。
言葉が通じないなりの、人間の知恵だな、と思った。
私も、彼の言い値では乗らない!
と、すかざず、自分のスマホ計算機に希望金額を打つ。
私の海外での値段交渉術発揮。
良い値段で、交渉成立。
一路ホテルへ。
ホテルにチェックイン後、スタジアムへ出かける。
ホテルの外には、教会か、お城か。
素敵な建物を発見。
ホテルのスタッフに、スタジアムへの行き方を聞いていた。
バスで行くとの指示を受け、バス停へ。
しかし、言われた通りの場所に行くが、バス停が見当たらない。
近くにいた人たちに聞くが、言葉が通じず、何が何だかさっぱり分からない。
今回のワールドカップでは、試合当日、ID と 観戦チケットがあればバス、電車など公共交通機関はフリーで乗車できる。
その為、試合観戦者は、皆、首から ID を下げている。
私も同じ。
すると、歩道にいた数人のおばちゃんの中の一人が、私に、『 来い! 』 というジェスチャーを見せた。
ちょうど私たちの前に、タイミング良く、ボロボロの大型ワゴン車が停車。
そのおばちゃんは、バックから、ワールドカップの ID を取り出して私に見せた。
私は、おばちゃんもスタジアムに行くと確信し、そのワゴン車に乗り込んだ。
ワゴン車の中は、サウナ状態。
その日、ヴォルゴグラードは、32℃を越えていた。
かなり暑い。
しかし、窓が開いているだけ。
ワゴン車は、エアコンをつけていない。
乗車したものの、このワゴン車が、バスなのか? 何なのか?
よく分からなかった。
そんな中、乗車した人たちが、みんなお金を払い出した。
私に乗車を促したおばちゃんも、私にロシア語で何か言っている。
???
すると、先に乗車していた隣のお兄さんが、英語で、金額を教えてくれた。
言われた金額をおばちゃんに渡すと、おばちゃんが、前の座席の人に渡す。
お金が、どんどん前の席のお客さんを経由。
乗車している人達が、みんなでリレーをして、最後は運転手さんへ料金が渡された。
この光景は、なんとも不思議だった。
外国人同志、きちんとお金が運転手さんへ渡されたのを、皆で見届けた。
面白かった。
これは、バスか?
いや、まさに乗合タクシーのようだった。
言葉が分からないので、ホントに乗り合いタクシーか? バスか? どうかは分からなかったが。
お客さんがお金を払い、お客さんが回収し、運転手さんへ届けられる支払いリレー。
これは、私の人生で初めての経験だった。笑
しばし、ワゴン車に乗っていると、ID を付けていた親切なおばちゃん一行が降車し始めた。
だから、私も降車するのだろうと準備した。
しかし、おばちゃんが、私を手で止めた。
降りるな! と。
私は、すっかり、おばちゃんにくっついてスタジアムへ行くつもりだったのに、何が何だかさっぱり分からない。
すると、一緒に乗車していた他のおじさんが、声を掛けてきた。
彼は、 ワールドカップID を私に見せてくれて、俺と一緒に行くぞ!
と言った感じのジェスチャーをした。
おじさんを信じて、車に乗り続けた。
後に、彼らがワゴン車から降りる時が来た。
一緒に来い!
と連れられるがまま、次は、電車に乗った。
電車を降りると、そこは、スタジアムだった。
彼らを信じて、正解!
ホテルの近くでバス停が分からず困っていたところを、ロシア人のおばちゃんが助けてくれた。
おばちゃんから私を引き受け、スタジアムまで連れて行ってくれたのは、このご家族。
言葉は、よく分からなかったが、彼らはアルメニア人で、ロシア在住と言っていた。
とても優しく、温かいご家族だった。
特に10歳の息子さんとは、電車の中で、私のスマホの写真を見せて、かなり盛り上がりました。
フットボールを見に行って、世界の人たちと繋がる幸せな瞬間だった。
世界を繋ぐフットボールを感じる事ができました。
お世話になった皆様に感謝。
絶賛発売中!
菊池大介選手と遠藤航選手(共に浦和レッズ)との鼎談あり
『 ニシコーチの 子・育つサッカー ~泣き笑い個性満開スクールデイズ~ 』
予約注文 : 全国の書店で予約もしくは注文できます。
又は、下記まで。