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長野Uスタジアムへハイブリッド芝を導入した男

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南長野運動公園のスタジアムで、久しぶりに友人に会った。

 

 

私は、AC長野パルセイロでジュニアユース監督をした時、青ちゃんに知り合った。
当時、いつも青ちゃんが管理している天然芝で練習をさせてもらっていた。
南長野運動公園の旧スタジアムでも試合をさせてもらった。
旧スタジアムのピッチは、いつも絨毯のように素晴らしい芝だった。

私が湘南ベルマーレにいた頃、ホームグラウンドの平塚競技場は、Jリーグ・ベストピッチ賞を受賞した。
青ちゃんの作るサッカーグラウンドのクオリティーは、平塚競技場と同等なほど良かったので、私は、よく彼に言った。
『 パルセイロがJリーグだったら、ベストピッチ賞だね 』
それだけ、私は、ピッチを見守る彼の腕をリスペクトしている。
私は、芝を育てることに関しては素人だが、ドイツでいつも芝の上でサッカーをしてきたからこそ語れる部分がある。

 

私は、ドイツで長年天然芝の上でトレーニングと試合をしてきた。
天然芝は、生き物。
雨が多くて水が多過ぎたり、暑過ぎたり、寒過ぎたりすれば、芝のサッカーグラウンドの痛みは早い。
そして、頻繁にサッカーの練習、試合をして、使用頻度が高ければ、芝はあっという間にはげてしまい、グラウンドはボロボロになるのは当然。
だから、私は、天然芝を使用する際、いつも大切にする気持ちを持って、芝を扱ってきた。
シュート練習や、フィジカル練習などは、いつもピッチの外。
ピッチの芝を痛めないように使うことが、使用者の義務、モラルだと思っているから。

私は、それをドイツで学んだ。

 

春先、Uスタへ試合を見に行くと、珍しくピッチの芝の痛みが激しかった。
昨秋、台風が重なって、芝が大きなダメージを受けた、との話を聞いた。
生き物を育てるのは、とても難しい。

 

今週、オランダからUスタへ来ていたハイブリッド芝のスペシャリストのアナンさんは、言った。

『 天然芝は、日本の刺身と一緒 』

天然芝は、生ものだから、とても鮮度の維持が難しいと言っていた。

 

 

 

南長野運動公園のスタジアムの使用頻度は、昔からハンパ無く高い。
サッカーにラクビー、そしてアメフト。
今は、Jリーグ、なでしこリーグがコンスタントに開催され、おまけに、小学生、中学生、高校生らも使用する。
使用制限をガンガン掛けるスタジアムと違い、これだけ使用頻度が高ければ、芝は、簡単にボロボロになっても不思議ではない。

 

先日、南長野運動公園Uスタジアムの一部にハイブリット芝を導入すると聞いたので、興味があり見て来た。
青ちゃんに会うと、彼は一言。

『 芝、だいぶ、良くなったでしょ! 』

ピッチの中を歩くと、春に比べて、芝の状態は、とても良くなっていた。
さすが、青ちゃん。

 

 

今回、Uスタの一部へ、ハイブリット芝を導入したのは、青ちゃん。
日本は、海外から新しい物が入ってくる際、抵抗感の強い国。
島国である日本人の民族性でもある。

だから、ヨーロッパではスタンダードなハイブリッド芝が、日本では、未だに馴染みが薄い。
そんな、日本で実績の無い海外の技術に対して、青ちゃんは導入を決めた。
改めて、さすがだな、と思う。

 

ヨーロッパでメジャーのハイブリット芝。
今回のロシアワールドカップでも、ほとんどのスタジアムで採用されている。
日本でも、10年後には、そこらじゅうのスタジアムでハイブリッド芝を使用していると思う。

 

南長野運動公園Uスタが、パイオニアになるだろう。
Uスタのハイブリッド芝に注目したい。

 

 

 

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