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時に、ファンとの写真撮影を断るドイツ代表選手に賛同する

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以前、海外でプレーする日本代表選手が、引退後も海外で生活したい、とコメントした記事を読んだ。

 

昔、ミュンヘンで生活していた頃、日本からのお客さんと夕飯に出掛けた。
路地を歩いていると、一人の若者が自転車を停め、レストランの入口へ向かって歩いて来た。
私達の方へ向かってきた若者は、帽子のつばを下げて歩いて来た。
帽子のつばの下に顔が見えた。

 

偶然にも、ドイツ代表のショル選手だった。
当時、彼は、世界的なサッカークラブ、バイエルン・ミュンヘンのスター選手だった。
スター選手が自転車で現れたのも驚いたが、こんな路地で会ったのにも驚いた。
すかさず、日本からのお客さんが、一緒に写真を撮ってとお願いした。
すると、彼は、一言。

『 今、プライベートなので 』

一瞬、私も聞き取れなくて、何を言っているのか分からなかったので、再度、お願いした。

すると、

『 今は、プライベートな時間なので、ごめんなさい 』

と笑顔で返された。
その態度は、毅然としていて、断られても気持ち良かった。

 

プロサッカー選手は、ピッチでプレーするだけでなく、サインを書いたり、写真を撮ったりもする。
それは、ファンサービスという立派な仕事だから。
だからこそ、ドイツ人の彼の「プライベートだから」という言葉は印象的だった。
彼にとっては、プロサッカー選手は、職業であり仕事。
しかし、プライベートの時間は、仕事の時間ではない。
スター選手であっても、プライベートの時間を人にはっきりと伝え、理解を求めるところがドイツ的だなと思った。
日本でこのような発言をすれば、生意気だ、不誠実だと叩かれるような気がする。
ドイツには、プライベートと仕事を切り離す文化がある。
だから、ショル選手のように、他人にプライベートの時間を伝え、理解を得られる社会なのだと思う。
日本では、お茶や食事に行っても、何処へ行っても人目に付き騒がれてしまうスター選手にとっては、ドイツでのプライベートを確保できる生活は、居心地が良いのかもしれない。

ドイツで生活する日本代表選手が、引退後もドイツで生活できたらいいな、と発言する気持ちも理解できる気がする。

 

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