先日、J2リーグ・ツエーゲン金沢の古田選手に会った。
『 初めてじゃないけど、こうやってちゃんと話をするのは初めてですよね 』
と古田君は、言った。
『 確かに 』 そうだ。
彼との出会いは、まだ俺が、ドイツ・ブンデスリーガの1860ミュンヘンでユースコーチをしていた時だ。
彼は小学6年生で、札幌選抜チームとして姉妹都市ミュンヘンに遠征に来た。
その時に、札幌選抜は、1860ミュンヘンのジュニアチームと練習試合をした。
その翌日、俺は、札幌市サッカー協会の方々に依頼され、札幌選抜の子供たちにトレーニング・指導をした。
その中に古田君がいた。
当時、彼は12歳の子供だったから、大人になった彼とは約十数年振りの再会となった。
俺は、たまに教え子達と食事をすることはあるが、教え子達とは、日々共にトレーニングや試合をしてきているので、共有した時間も長いし、お互いのキャラクターも良く分かっている。
しかし、俺は彼が子供の時に、数日ミュンヘンで接しただけだったので、彼を知っているような、知らないような、なんか不思議な感覚だった。
今回、一緒に食事をする事になったのは、彼が、突然電話をしてきてくれたから。
たまたま俺は、J2リーグ、松本山雅FCとツエーゲン金沢のテレビ中継解説を担当した。
その試合に、彼は出場した。
試合後、中継を見た彼は、俺が彼の試合の解説をしたのを知り、札幌市サッカー協会の共通の知人に連絡をして、俺の連絡先を教えたもらったとの事だった。
何とも行動力のある青年だと思った。
ある意味、お互いに相手の事をよく分かっていないからだ。
久し振りに会った彼との時間は、有意義だった。
俺は、彼がミュンヘン遠征に来た後から、今に至るまでの話を聞いた。
彼がコンサドーレ札幌のジュニアユースに入り、その後、年代別日本代表に入り、そして、高校生でJリーグに出場したこと。
そして、大きな怪我をしたが、カムバックしたこと。
彼は、俺のドイツ時代の話や、ブンデスリーガやヨーロッパサッカーの話を興味深く聞いていた。
彼は、12歳で行ったミュンヘン遠征が、人生の中で、とても大きな経験だった、と語った。
そして、あの経験があるから今がある、とも付け加えた。
俺44歳、彼25歳。
年齢は、約20歳も違う。
そんな2人で、フットボールをネタに大いに盛り上がった。
なんか、初めてきちんと会話をしたなんて信じられない、かつて何度も会っていたかのような親近感があった。
それは、彼のパーソナリティーによるものだ。
連絡をしてきてくれた古田君に感謝。
そこを繋いでくださった、札幌市サッカー協会の山脇さんにも感謝。
また、人と人を繋いでくれたフットボールにも感謝。
今後の彼の活躍を楽しみに見たいと思う。