先週末、松本山雅FC vs ツエーゲン金沢 戦スカパー解説へ行ってきた。
ゲームは、前半0-0で折り返したが、後半、松本が先制し一気に動き出した。
松本は、あっという間に2-0とした。
しかし、ツエーゲン金沢の森下監督が、一気に交代カードを2枚切る。
交代で入った古田選手の突破から2-1。
更にその後、森下監督は、長身のメンデス選手を投入。
間髪入れずに、メンデス選手がコーナーキックからヘディングで2-2。
ツエーゲン金沢の頑張りにより、ゲームは振り出しに戻った。
89分。
バイタルエリアで松本が高崎選手のポストプレーから、岩間選手のゴールで3-2。
そして、最後は93分、石原選手が自陣から見せた長いドリブルで4-2。
ガラスに囲まれた中継室にいながらも、アルウィンの熱気がヒシヒシと伝わるゲームとなった。
2009年、現松本山雅FCの反町監督は、湘南ベルマーレのトップチーム監督に就任した。
俺が湘南ベルマーレでユースコーチをしていた時だ。
ソリさんは、就任1年目で、湘南ベルマーレを初のJ1リーグ昇格へと導いた。
その年、湘南は、アディッショナルタイムの歓喜ばかりが印象にある。
90分の試合時間を終え、アディッショナルタイムでゴールを決める、そんな劇的な勝利試合が本当に多かった。
それを、サポーター、スタッフ共に『 反町劇場 』と呼んでいた。
先週末のゲームも、反町劇場だった。
ソリさんは、日頃から厳しいトレーニングを選手たちに与え、鍛えている。
日々コツコツと、当たり前のことを、当たり前に出来るようにトレーニングをしている。
簡単なようで、簡単ではない。
指導者をしていれば、それがとても難しい事だと分かる。
フットボールは、90分とアディッショナルタイムで戦う長丁場のゲーム。
特に疲労の増しているゲーム終盤、一瞬でも気を抜けば、隙を作れば、直ぐにやられてしまうスポーツだ。
アディッショナルタイムにゴールを奪えるのは、日頃のトレーニングの賜物だ。
あらためて、ソリさんをリスペクトする。
試合後のインタビューで、ソリさんは、劇場は要らないと言った。
周囲は、試合展開に満足し、勝利に酔うのだが、監督からすれば、あの試合の様な失点は不要だ。
そこに課題がある。
しかし、Jリーグはプロスポーツという興行。
スタジアムが大いに賑わう瞬間は、見ている者にとっては最高だ。
有能なプロボクサーは、試合前にリップサービスで試合への注目を集める。
野球のイチロー選手は、簡単にキャッチできるボールを、わざと遅れてスタートし、ファインプレーにして見せると聞く。
全ては、エンターテイメントだ。
監督の立場では、わざわざハラハラするようなゲームをしたくはないだろう。
しかし、ソリさんには誠に恐縮ではあるが、見ている側からすれば最高だ。
今後もソリさんのチームを楽しみに見たいと思う。