昨晩のドイツサッカースクールが始まる前の出来事。
小学生達が、スクール開始時刻前に集まり、自由に遊んでいた。
すると、K が自分が持っているゴールキーパーグローブを身に付け、体育館の壁側に立った。
そして、他の子たちが、K に向かってシュートを打ち出した。
自然に、K はゴールキーパーとなった。
子供たちがスクールに向けてどんどん集り出してきて、ボールを蹴り始めた。
気が付くと、K の他に T と S がキーパーをやりたがっている。
私は、どうするのかなと彼らを興味深く見ていた。
彼らの結論が出た。
「ゴールを奪われたら交代する」ということになった。
キーパーをやる為には、シューター達のシュートを必死に止める。
止める事ができれば、ゴールキーパーを長く続ける事ができるわけだ。
とかく日本では、シュートをミスしてゴールを奪えなかった子が、ゴールキーパーをするルールが多い。
要するに、みんなゴールキーパーをやりたくないわけだ。
逆に、ドイツではどうだろう。
多くの子供たちが、ゴールキーパーをやりたがる。
子供たちは、自分のキーパーグローブ、いわゆるマイグローブを持っている。
それは、ゴールキーパーに限らず、フィールド選手たちも持っている。
ドイツでは、ゴールキーパーは、花形のポジションだ。
現に、ドイツのゴールキーパーには、
シューマッハー、
ケプケ、
カーン、
ノイヤー、
など、世界的なスーパースターが多い。
昨日、子供たちのゴールキーパーの決め方が、なんともドイツ的だった。
ゴールキーパーというポジションを、喜んでやる子供たちを見て嬉しくなった。
キーパーが好きな子が多ければ、自然とゴールキーパーのレベルが上がる。
キーパーのレベルが上がれば、今度は、シュートを入れる側のストライカーもレベルアップする。
ゴールキーパーが育てば、ストライカーも育つという訳だ。
サッカーは、ゴールを入れて、ゴールを守るスポーツなのだから。
日本の子どもたちのストリートサッカーでも、ゴールキーパーを志願してやりたがる光景。
日本サッカー界にとって、とても大切だなと、スクールの子どもたちを誇らしく思った。
2018年2月出版予定
菊池大介選手と遠藤航選手(共に浦和レッズ)との鼎談あり
『 ニシコーチの 子・育つサッカー ~泣き笑い個性満開スクールデイズ~ 』
http://volonte93.wixsite.com/volonte93