ドイツでは、ブンデスリーガクラブを訪問し、スタジアムで試合を観戦し、そして、文化遺産を見てまわった。
最初は、外国人には言葉も掛けられない、大人しかった子供たち。
旅も終盤、ミュンヘン市庁舎の裏にある芝生の広場に行った時の事。
ちょっと時間が空いた。
すると、二人はリュックサックに入っていたサッカーボールを出して、そこで蹴り始めた。
ここは、150万都市ミュンヘン。
街のど真ん中。
沢山の人々が行き交う場所だ。
すると、あちこちから子供たちが集まり始めた。
白人、黒人、黄色人種などなど、あっという間に国際マッチになった。
ドイツサッカースクール(長野市)の子供たちは、ドイツのストリートサッカーを存分に味わった。
私は全く関与せず、静観していた。
知らず知らずの内に、会話したり、身振り手振りでサッカーを楽しんでいた。
自分たちが創り上げた、最高の時間だっただろう。
3年前、ドイツとオーストリアへ連れて行った T(当時6年生)と S(当時4年生)。
T は、今年度中学3年生。
今季、彼は、所属するチームのキャプテンに任命された。
S は、今年中学へ入学したが、昨年、小学6年生で英検4級を取得した。
私が彼らをドイツへ連れて行ったのは、サッカーの為ではない。
この機会が、人としての成長に繋がることを考えていた。
だから現地では、沢山の外国人に直接触れ合う機会を作った。
言葉が通じなくても、自分の意思を表現できるようになって欲しい。
相手が何を言いたいのかを、相手の表情、相手の身振り手振りを見て感じるようになって欲しい。
人と人が繋がる為に、何が必要かを考える機会になればとも思っていた。
何処へ行くにも、子供たちに、引率する私の後ろでは無く、いつも前を歩かせた。
自分の目で、人、建物、車など街を見させた。
誰かの後ろをくっついて歩くと、視野は狭くなるし、記憶に残らない。
彼らが、言葉の通じない外国で様々な経験をして、自分達で前に向かっていくことを、何かを感じて欲しかった。
二人が、今、スクスクと成長している事を嬉しく思っている。
そして、あの経験と刺激は、彼らの心の中に、一生残るものだと思っている。
それは、海外で10年生活をし、自分で経験した私だから言える。
彼らが、今後も人として成長する事を願っている。
これからも、私の経験からくるドイツサッカースクールで、多くの長野県サッカー少年たちの健全育成活動を続けて行きます。