先日、子供たち3人が、いつもより早くドイツサッカースクールへやってきた。
ドイツサッカースクールは、長野市で開催している少年サッカースクール。
今回の子供たち3人は、これまで他の団体チームでプレーしていた。
3人とも同じチームメイトだった。
この4月から、ジュニアユースに加入する子供たちだ。
私は、思わず彼らに向かって言った。
『 今日は、えらく早いじゃん! 』
彼らは、『 自分達でやってきた 』 と応えた。
保護者の皆さんが仕事をしていれば送迎の時間のやりくりが難しい。
彼らは、長野市の最北西に住んでいる。
先日の練習会場は、長野市のかなり南東。
移動距離にすると、結構遠い。
しかし、彼らは春休みだからと、バスを2本乗り継いでやってきた。
私は、彼らの話を聞いて、思わず笑いながら拍手をした。
そして、拍手をしながら言った。
『 親に頼らず自分達で来たのは、素晴らしい! 』
素晴らしい! と、私は自然に連呼していた。
湘南ベルマーレで小学生を指導していた時、子供たちは、いつも練習会場に自力で来ることを慣例としていた。
子供たちの自立の為に、往路は、保護者の送りをお断りしていた。
それにより、子供たちは、早くから自力で、バス、電車を乗り継ぎ練習場に来る。
移動に慣れてきたら、浦和や柏へ練習試合に行く時にも現地集合させていた。
しかし、そこには、首都圏近郊ゆえの地の利がある。
バス、電車などの公共交通機関が充実しているから出来る。
ここ長野市は、首都圏のようにバス、電車が張り巡らされていない。
おまけに、走っている本数もかなり少ない。
我が家の前のバス停は、週末、1時間に一本もバスがこない時間帯がある。
平日であっても、昼間は1時間に一本しか走らないのが普通だ。
だから、このような田舎は、どうしても車社会になる。
成人すれば、車を一人一台持つようになる。
何処へ行くにも、車での移動が当たり前。
だから、子供たちも、保護者の送迎が当たり前となっている。
長野市で、小学生がバスを乗り継いで自分達で移動して来るとは、たいしたもんだ。
子供たちが、公共交通機関を使って移動する習慣がほとんど無いからだ。
公共交通機関の便があまり良くない田舎だから、自然なことなのだが。
乗り継ぎの待ち時間の過ごし方も考えなければならない。
乗り継ぎに一時間待ちの時がある土地柄だ。
そんな中、時間を掛けてでも子供だけの力でやってきた3人は、素晴らしかった。
彼らが誇らしくて、彼らを褒めていたら、思わず笑ってしまった。
嬉しい大笑いだった。
「車は便利」が当たり前と思わずに、子供が自ら時間を考慮して、その時間の過ごし方、移動の仕方も考えて行動する。
田舎ならではの交通機関の使い方、自転車の使い方などを駆使して移動を考えるのも良いだろう。
今回は、通常と違う自力で移動してきた子供たち。
子供たちが自立していく瞬間に立ち会うと、嬉しいものだ。
こちらの方が嬉しくて、嬉しくて、そんな感情から、私は彼らの前で爆笑してしまった。