先日の神奈川遠征中の話。
2日目の最終試合を前に、チーム内がザワザワしていた。
様子を見ていると、一人の子 T のボールが無いようだった。
会場には、12チームの子供達がわんさかいた。
サッカーコートは、2コート。
その周りは子供だけでなく、保護者の方、コーチ、スタッフなど大勢がいた。
おまけに、サッカーコートの横には駐車場があり、車もたくさん停まっていた。
子供達が私のところへ、T のボールが無くなったと報告に来た。
私は、もう帰りそうなチームもあるねー、と言ってみた。
その時、既に大会を終えて帰り始めるチームがいる。
自分達の試合直前の事。
子供達は、「今、探そう! 」となった。
全員がいくつかのグループに分かれて探し始めた。
試合までに準備の時間はほとんど無い。
しかし、他のチームへ行く子。
サッカー場の柵の外へ行く子。
駐車場の車の下を見る子。
みんなが会場に散らばってボールを探した。
しばらくすると、コートの端にいたグループが騒ぎ出した。
そして、他のグループに向って、手を頭上で組み、OKのサインが出た。
ボールが見つかったんだと、チームの皆に伝達された。
もしあの時、子供達が試合の為のウォーミングアップ、試合準備を優先したいたら、無くなったボールはどうなっていたのか。
他所のチームの子供たちが間違えてボールを持って帰ってしまえば、ボールは見つからない。
おまけに、参加していた大会は、長野から遠い神奈川だ。
子供達は、子供達なりに、良く考えた。
何を優先すべきかを。
そして、自分の物ではなく、仲間の物に対して、自分のことのように行動した。
試合優先ではなく、仲間の不安な気持ちを取り除く様に努力した。
そこに仲間を助ける気持ちと思いやりがあった。
子供達の素晴らしい思考と行動だった。
サッカーの大会に来ているから、試合に勝つ為にどうするか、だけではない
試合の準備はできなかったが、子供達は、試合よりも大切な物を手にしたと思う。
思いやり。
助け合いの精神。
サッカーチーム云々では無く、子供達が、これから生きていく為の糧になる。
そして、社会で生きていく為に、必ず必要な力となる。
もちろん、ボールを無くした本人も、感謝の気持ちを強く感じたにちがいない。
長野県長野市少年サッカークラブ
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