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困った子供達がいる。さて、どうする?

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先日のドイツサッカースクールの一コマ。

 

スクールが始まる前に遊んでいた子供達が、上を見上げていた。
何をしているのかなと思って、私も見上げた。
ボールが2つ体育館の2階の手すりに引っかかっていた。

しばらくして、 2年生のIとYが私のところにやってきた
『 コーチ、ボールが上に乗っちゃった 』 と子供達は問題発生を私に宣言した。
私は、 『 へー、そうなんだね  』 と応えただけだ。
ボールの持ち主である子供達は困っていた。

私は、いつも子供達に問題が起きても、直ぐには子供達を助けない。
そのまま、彼らを静観する。

そのうちにサッカースクールがスタートした。
子供達は何もなかったかの様に、タツコーチの元、スクールに参加したが、自分達のボールが無いので、そのうち困り出した。
すると、ボールの無い2人は、体育館の壁側に行き、ボールを見上げて、あーでもない、こーでもないと話していた。

彼らは、体育館の壁に付いていたネットを揺すり、ボールを落とそうとした。
しかし、ボールは落ちない。
かなりの時間が経過した。

スクールも半分くらいが過ぎた頃、丁度休憩で、他の子供達が水を飲んでいた。
私は、休憩している子供達に言った。
『 IとYが困ってるみたいだよ! 』
すると、数人が集まってきて、みんなで、何だかんだと話し始めた。

その中、2年生のS君が一言。
『 コーチに取ってもらえば良いじゃん! お願いすればいいんだよ。簡単なことだよ! 』

しかし、IとYは、私を含め、コーチのところにはやってこない。
その後も彼らの行動を見ていたが、遂に、私は、IとYに助け舟を出す事にした。

私は、IとYに話しかけた。
『 Sくんの話、聞いた? 』

すると、Iが言った。
『 コーチにお願いすれば良いのは、分かっている。でも、自分たちのせいでボールを乗せちゃったから、自分たちの責任。だから、自分達で取ろうと思っている 』

2年生のこの発言を聞いて、私は驚いた。
もっと簡単に、私にボールを取ってとお願いするだろうと思っていた。
私は、彼らなりに一生懸命に考えた、素晴らしい答えだと感心した。

しかし、どう見ても、子供達の力だけでは、ボールを取る事は不可能な場所だった。
私は、更にIとYに言った。
『 君達は、ここへ何をしにきたの? 』
『 サッカー 』・・・・・

もちろん私は、最初からどうやっても子供達だけでは解決できないと分かっていた。
しかし、子供なりに、自分達でやってしまった事の責任を取ろうとしていた。
小学2年生で、そこまでの責任感を持てるとは凄い。

彼らは考えた。
そして、私に自分達の言葉で言った。
『 コーチ、ボールを取ってください 』

 

最終的に、私がボールを取り、IとYは、サッカースクールに参加した。

それまでのIとYのボール問題解決への一連の行動に感心し、リスペクトした。
改めて、子供の考える力は偉大だ、と思った。

 

 

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