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子供に 「気付き」 をどのように与えるか

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昨日のボールが取れなくなった話の続き。

 

翌日、ボールが取れなくなったTくんのお父さんからメールが来た。
そのお父さんは、俺の高校サッカー部の後輩であり、サッカー指導者の後輩でもある。
彼は、学生時代にミュンヘンの俺の家に居候をして、ドイツサッカーを学んだ経験がある。
昔から弟のような存在だ。

彼は、『なんか息子がボール蹴り上げて取れなくなったみたいで、新しいのを買ったほうが良いですか? 』と聞いてきた。
俺は、『Tに、自分のおこずかいで買わせたら?』 と提案した。
すると、彼も、『そのつもりでした』と。

 

屋内施設のボールが乗ってしまった場所は、簡単にはボールが取れない、高い場所だ。
かなり長いはしごを調達するか、どこかの業者に来てもらわないと不可能だ。
以前、他の会場でも同じケースがあったが、その時の施設管理者は、天井についている電球を交換する時のみ業者が入るので、その時にならないと取れない、と言われた。
今回も、いつボールがTくんの手元に戻ってくるかは分からない。
だから、その間、Tくんはサッカーボールが無いわけだ。

 

屋内運動場は、かなり高い防御用ネットでコートが囲まれている。
普通にサッカーをしていれば、ボールがネットを超え、上に乗っかることはまずない。
わざと上に蹴り上げない限り、ネットを越えることはない。
Tくんは、 お父さんに 『本気持ち蹴りスーパーミドルミラクルシュートで上に乗せた』と伝えていた。
それを聞き、思わず噴出して笑ってしまった。
大したもんだ。

 

しかし、Tくんが自分でやらかした不始末なので、俺は、Tくんのおこずかいで新しいボールを購入させたら、と後輩に勧めた。
自分のお小遣いでボールを買えば、そのボールを今までよりも、もっと大切にするだろう。
わざわざ防御ネットを越え、上に乗っかってしまうようなキックをする前に考えるようになるだろう。
これを機会に、Tくんが、今よりも更に物を大切にするようになったら良い。

 

子供は、失敗をして学ぶ。
失敗した経験の数ほど成長する。
Tくんにとって、今回が、良き学びの機会になったら嬉しい。

 

 

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