お泊りキャンプでいつも感じる事がある。
初めて参加する子どもは、やはり緊張気味だ。
初めてだけに不安もあるだろう。
それは子どもにとって、自然な事だ。
そして、子どもを送ってきた保護者さんも緊張気味。
特に、小学校低学年のお子さんを送り出すお母さん達は尚更だ。
生まれた時から手塩に掛けて育ててきた我が子を、たとえ1泊2日だけだとしても、自分から手離すのだから当然だ。
子どもにとっても、お母さんにとっても非日常的な機会だから。
お母さんによっては、『 コーチ、私の方が心配で 』 と笑いながら話しかけてくる方もいる。
野生動物の世界では、生まれた子を母親がしっかり守り、育てる。
最初は、母親が食べ物を調達してくる。
その内、子供が育ってくると、子どもにも狩を学ばせる。
獲物を狙い、食べ物を手に入れる術を学ばせる。
それは、自然社会では、誰も食べ物を恵んではくれないからだ。
自らの力で生きていく為に、食べ物を調達しなければならない。
子どもが一人前になると、親は、あえて子供を突き放し、野生へ送り出す。
子どもは、親元離れてお泊りキャンプに来ると、いろんな面で成長する。
家にいると、どうしても親に甘えてしまう。
甘えられる環境があるから当然だ。
しかし、親元を離れれば、親のサポートが無い中で集団生活を送る。
その環境が、子どもを一つ成長させる。
仲間から、年上の子から学ぶ事は、沢山ある。
そして、勇気を持って子どもを送り出した保護者も、子どもを送り出すことによっていつもと違う自分を経験する。
保護者がお迎えにきて、子どもと保護者の笑顔での再会は良い瞬間だ。
子どもは、将来、自分の力で社会を生きていかなければならない。
自立しなければならない。
その為には、子どもが自分の足で立ち行動できるように育っていかなければならない。
そして、保護者も、子どもが自立していけるようにサポートする事が必要だ。
そのサポートとは、常に寄り添い、近くで口や手を出すのではない。
親元から離れる時間、自力で行動する、考える時間を設けることは大切だ。
親が子どもから離れる勇気は、子どもを大きく育てることになる。
無意識のうちに、親も育つだろう。
ドイツサッカースクールは、そんな親子の勇気を受け入れる。
そして子供たちが成長する喜びを、常に見守っていく。