先日の小学6年生のリーグ戦。
相手チームは強敵で、うちが劣勢に立たされたゲーム。
チームメイトの二人が試合中に、お互いのプレイに対して言葉を発する。
共にその状況に応じて、内容は当たっていた。
まず前半、DF陣が相手選手にやられ失点。
そんなシーンが何度か続いた。
すると、中盤でプレーしていた S がディフェンダーに言い放った。
『 ちゃんとマークしろよ! 』
言われた方は、カッとして、直ぐに口論、ケンカになっても不思議ではないようなシチュエーションだった。
相手にリードされたままの後半。
俺達にも少しチャンスが増え、S は数回シュートを打った。
しかし、そのシュートは、ヘナヘナと力無く飛んでいくものであったり、ゴールの枠から外れるものばかり。
すると、今度は Y が、『 シュート、枠に飛ばせよ! 』 と勢い良く言う。
しかし、それに加えて、Y は S に言った。
『 でも、トライは良かったぞ! 』
後半、Y に言われた S は、更に前を向くことが出来た。
S と Y のゲーム中の発言に大きな違いがあるのは明らかだった。
試合に勝ちたいと思うのであれば、チームメートに対して厳しい内容であっても指摘しなけれならない。
なんでも、かんでも、 『 オッケー。どんまい 』 では、強敵には対抗できない。
皆、勝つために必死であれば、仲間にも厳しい言葉を言うのは普通だ。
勝つために熱く、厳しくなることが競技スポーツの世界だ。
プロサッカー界であれば、ゲーム中に仲間同士が言い争いになることも普通にある。
DFは、ちゃんとマークしなければ失点になるし、シュートは、枠に飛ばさなければゴールにならない。
試合に負けていたからこそ、二人の口調は仲間に対して攻撃的だった。
怒っているようにも見えていた。
しかし、同じ指摘であっても、言い方によって相手の受け取り方は異なり、時に試合運びにも影響する。
仲間に対して、厳しい指摘であっても、競技スポーツの世界では正しい。
しかし、言われた後、指摘を受けた選手が、更に前進できる声掛けであれば、更に素晴らしい。
試合後、全員を集めて、S と Y の発言について話をした。
S は、ミスを指摘したのみ。
Y は、ミスを指摘した後、それでも仲間のトライを賞賛した。
Y の一言は一瞬厳しく感じたが、厳しさだけでなく、その後のプレイに繋がる人としての温かさがあった。
小学生ながら素晴らしい。
だからこそ、みんなに話すべきだと思った。