押入れを整理していたら、懐かしい物が出てきた。
私がドイツ・ブンデスリーガの1860ミュンヘンを退団する時、クラブの役員から贈られた。
陶磁器の獅子。
獅子は、クラブのシンボルだ。
当時の副会長から陶磁器の獅子を手渡されている時の写真は、クラブの公式ホームページに掲載された。
7シーズン、コーチをしたクラブからの温かい贈り物だった。
私が公私共にミュンヘンで大変お世話になったヴェーバーさんは、言った。
『 俺でももらったことが無いのに、タケオは良いな~ 』
ヴェーバーさんは、1860ミュンヘンの元選手で、引退後は、ユースなど下部組織で子供たちのチームの監督やコーチを歴任した。
クラブの中でも名物な方だった。
ドイツの陶磁器は有名だ。
日本でも馴染みのあるのは、マイセン。
マイセンのコーヒーカップやティーカップは、日本での愛好家も多いだろう。
ミュンヘンで日本人の観光客が集まるお土産ショップでは、マイセンの陶磁器が沢山並んでいた。
クラブから渡された贈り物から、彼らの温かさを感じた。
本場ドイツのプロクラブで、私は、極東アジアから来た外国人であった。
今でこそ、ドイツには、日本人プレーヤー、コーチが増えた。
しかし、あの当時は、ブンデスリーガに日本人は、ほとんどいなかった。
言葉のハンディもありながら一生懸命働いてきた。
その努力を、クラブが見てくれていたことが嬉しかった。
このクラブで働けたこと、そしてお世話になったことが、今の人生に繋がっている。
今でも、本当に感謝している。
Danke schoen