山頂から降りてきて一休みし、その後は、夕食。
150人が一同に食事が出来る。
この日は、4回転。
約600人の食事。
豪快な雰囲気だ。
俺は、赤ワインを堪能。
標高3,080m 北アルプスの山小屋で赤ワインとは、贅沢な話だ。
夕食後は、槍ヶ岳山荘の社長さんに焼酎をご馳走になった。
社長さんは、息子に、『 テレビつかなくてごめんね 』 と言った。
夕方から雷が鳴り出していた。
雷が落ちると、全ての電子機器がショートしてしまう為、照明の電気以外は、全てブレーカーを落としているという。
下界には無い、貴重な話だった。
『 この日の天気で、山頂へ登頂できたのは、運が良かった 』 と社長さんに言われた。
現に、俺達が降りてきた後、急にガスがかかって、山頂は全く見えなくなり、その後雨が降り出した。
俺たちの後に山頂から降りてきた人たちは、ビショビショに濡れていた。
あの岩壁、そして垂直に伸びているはしごの上で、雨風に打たれたら!と思うと、背筋がザワザワした。
山荘には、かなり大勢の登山客が宿泊する。
その為の食料をヘリで上げる。
1回食料を山荘に上げるのに、ヘリを10回飛ばす。
もちろん、その中には、俺の生ビールと赤ワインも含まれていた。
食料を上げる際は、山荘スタッフが、上高地まで、自足で下山する。
相当数の食料を、スタッフが、自らヘリに積み込まなければならない。
しかし、ヘリがいつも飛べるわけではない、と社長さんはしみじみ話す。
下が晴れていても、3000m 付近が、いつも晴れるわけでは無い。
ヘリが飛べなければ、スタッフは、下で待ちぼうけ。
天候が回復しない場合は、2、3日、下で待機のこともあるらしい。
山の天気が難しい事を、改めて肌で感じた。
社長さんは、本当に貴重な話をたくさんして下さった。
2日間歩き続けた結果、その夜、足はこんな感じ。
あちこち痛みが増していた。
翌日は、下山だが、足の痛みがハンパなかった。
下山は大丈夫か?と思いながら夜は更ける。