祖母井さんと赤ワインを飲んでいた時、翌日、ボクシングに行く!と聞いた。
祖母井さんは、今、65歳。
今年、ボクシングを始めたらしい。
ということで、俺とシモコーチも連れて行ってもらうことにした。
ボクシングジムに着くと、リングがあった。
当たり前なのだが、俺はテレビでしか見たことのないリングを初めて見て、感激。
トレーナーさんに、ウォーミングアップで縄跳びをするように言われた。
ボクシングの試合の1ラウンドと同様に3分縄跳びをして、1分休憩。
2Rを指示された。
最初、何気無く1分やった。
すると、たかが1分で完全に息が上がってしまった。
1分休憩し、次は、3分にトライ。
しかし、1分過ぎると、かなりきつくなり、早く時計が進め、という感じだった。
2分過ぎると、キツくて足が上がらなくなり、縄を回す手も重くなる。
正直、苦しかった(笑)。
その後は、トレーナーさんがついてくださり、鏡の前でシャドーボクシング。
立ち方、姿勢、足の動かし方、腰の回旋、パンチの出し方を教えてもらった。
素人の俺は、腕を振りパンチをしようとする。
しかし、パンチとは、まず足、そして腰を動かし、肩がまわり、最後に手が出てくる。
頭では理解できるのだが、その動作全てを一緒にスムーズにやろうとして、一つ意識すると、他を落とす。
なかなか難しい。
シャドーボクシングが終わった後、ポロシャツは、汗でビチョビチョだった。
その後、グローブをつけて、トレーナーさんとリングへ上がりミット打ち。
体験参加でリングへ上がれるとは思いもしなかった。
そして、ミットへ向かってパンチを打つと、良い当たりの時は、パン! と甲高い音が響き、気持ち良かった。
ミット打ちも、常に試合と一緒で、1R3分プレー。
途中からワンツーなども打った。
リングを降りて、サンドバッグ打ち。
ジャブとストレート、ワンツーを打つ。
すると、トレーナーさんに、グローブを変えましょう!と言われ、再度、リングへ上がった。
通常、体験参加ではあり得ないが、特別メニューだ。
近々、プロテストを受ける選手相手にスパーリングをすることになった。
相手は、手を出さず、こちらのパンチを逃げるのみ。
トレーナーさんは、思いっきり打ってくださいと。
時計のブザーが鳴り、スパーリングスタート。
ステップを踏み、ジャブを出し、ストレートを打つ。
素人の体験参加だが、たまにパンチが当たる。
その当たる瞬間が、最高に気持ち良い。
しかし、楽しいのは1分まで。
既に息が上がり、逃げる相手について行くのもキツイし、手も出せない。
トレーナーさんから、ジャブを出して、と言われても、とても手が出ない。
ラスト1分はヘトヘト。
3分後、相手にお礼を伝え、リングを降りた。
息は、ゼーゼー。
唾液は、血の味。
完全に乳酸が溜まった。
酸欠で、クラクラした。
お世話になったトレーナーの中島さん。
いつも笑顔で丁寧かつ温かく指導、対応してくれた。
指導の中でのデモンストレーションは、流石だった。
そして、デモンストレーションをする時の表情、目つきはものすごく鋭かった。
ボクシング終了後、爽快な気分だった。
キツかったが、大きな達成感があった。
新しいスポーツに触れ、また新しい感覚を学んだ。
こんな学びの機会を提供してくれた祖母井さんに、感謝。
本当に、ありがとうございました。