先日、ノンストップ(フジテレビ)という番組を見た。
一人の若者が出演した。
東京・中目黒にあるイタリアレストランのオーナーシェフ。
彼が手掛ける料理の数々が紹介された。
この日、シェフが作るまかない、というコーナーだった。
見た目、普通のタラの切り身を、
シェフがスタジオで調理し、
こうなりました。
岡野健介氏は、15年程前にミュンヘンで知り合った。
私は、彼のお父さんとミュンヘンで良くお会いした。
お父さんは、当時、日系企業・ヨーロッパ法人の社長さんだった。
とても気さくな方で、サッカーが大好きで、楽しく食事をさせてもらっていた。
人生経験と海外経験の豊富なお父さんとお会いする度、いつも多くの学びの時間を頂いていた。
そのお父さんが、ある時、息子がミュンヘンに来るから、一緒に食事をして欲しい、と言われた。
その息子さんが、健介くんだった。
ミュンヘンのとあるレストランで健介くんに会った。
その時、健介くんは、海外へ行きたい!と考えている話をしていた。
海外生活は甘くないと言うことを、私の経験談を踏まえて伝えて欲しいと、お父さんから言われていた。
私は、ドイツへ渡り、まず語学学校へ通い、ケルン体育大学へ入り、ブンデスリーガのプロサッカークラブで働いた。
ドイツ社会で生活し、ドイツのプロクラブ・企業で働くということは簡単なことではなかった。
現実は、かなり厳しいのだと伝えた。
観光旅行とは違う。
海外で生活するということは、言語、文化、生活様式が異なる中で生きて行かなければならない。
日本で生活しているのとは、全く違うと、彼に語った。
その後、健介くんは、イタリアへ留学した。
多分、イタリア語はできなかったと思う。
しかし、現地のレストランでイタリア料理を修業しながら働いた。
彼は、数年間イタリアで生活し、帰国後、東京のレストランでシェフとなった。
テレビを見た後にメッセージを送ると、直ぐに返信が来た。
『 今でもドイツで西村さんと話したことを心に刻み、一歩づつ前に進んでいます 』
嬉しいメッセージだった。
十数年経った今でも、ミュンヘンで食事をした日を覚えている。
当時の彼は、まだ、将来が全く見えない若者だった。
しかし、海外に渡り、現地で揉まれ、大きく成長したと思う。
今、立派に活躍している彼を大変嬉しく思う。
『 東京へ来られたら、是非、料理を召し上がって欲しいです 』
嬉しいメッセージだった。
近いうちに是非彼の料理を頂きたいと思う。