先日、息子と両親と共に北アルプスの主峰・槍ヶ岳へ2泊3日で登山に行った。
3日目となった最終日、息子の様子を見ていて感心した。
俺達は下山。
もちろん、すれ違いで山を登って来る人は大勢いる。
小学生の息子は、人にすれ違う度に、道の端に寄って立ち止まり、上ってくる人に道を譲っていた。
そして、すれ違う時には 『 こんにちは 』 と挨拶していた。
すると大きなザックを背負い、顔から汗を流しながらゆっくりと登ってくる人たちが、息子に向って、
『 こんにちは 』
『 ありがとう 』
と声を掛ける。
その時、息子は、相手の方と目が合うと、会釈もしていた。
俺は、この息子の姿を珍しく感心して見ていた。
『 君は、いくつだい? 』
中には、挨拶だけでなく、息子に話しかけてきた人も大勢いた。
息子に声を掛けてきたのは、もちろん見ず知らずの人達だ。
しかし、そこには気持ちの良いコミュニケーションが生まれていた。
登山では、登っている人たちは、自分のペースを守って歩いている。
そのペースを乱すと、その瞬間は問題ないが、長く一日中歩いていると、後々身体にダメージとして現れてくる。
だから、上りと下りの人がすれ違う時は、下りの人が先に止まって道の端へ寄り、上りの人が通り過ぎるのを待つのがマナーだ。
息子は、3日間の登山で、丸2日間は山をとにかく登り続けた。
その際に、下山してくる人達はわざわざ止まって、息子を先に通してくれていた。
そして挨拶もしてくれた。
上りの2日間で、息子はそんな登山のマナーを自然に習得したらしい。
我々が下山する時には、そのマナーが息子の心と身体に染み付いていた。
マナーや挨拶を学ぶことは大切だ。
実体験から学び得る経験は、自然と本人の糧になる。
言われてやるのでは無く、自分で考え、大切だと思い、自然に挨拶が出来れば良い。
山で経験した事は、何よりも変えがたい学びの時間になったはずだ。
自然を大切に、人と人との良いコミュニケーションを学ぶ良い機会となった槍ヶ岳登山。
挨拶が出来ない子は、登山に行くと良いかもしれない!と思った。