ドイツサッカースクール・春休みキャンプに行った時のこと。

小学生が数十人集まれば、明らかに騒がしい。
場合によっては、うるさい。
宿泊先の食堂では、いつもコーチは、子供たちと格闘だ。

走らない！
静かにしなさい！

の連続だ。
何故かと言えば、食堂には、我々の他に沢山のお客さんが食事をしているからだ。
ある昼食時、俺たちの隣に、年配の女性２人が食事をしていた。
子供達が大声を出すたびに、彼女たちはこちらを見る。
彼女たちが食事を済ませ、席を立った時に、俺は、言った。
『 子供達がうるさくて申し訳ありません 』
すると、女性は、意外にも笑顔で言った。
『 全然大丈夫ですよ』
そして、更に付け加えた。
『 最近は、子供達の声を、あまり聞かなくなったわね〜。
子供達のにぎやかな声が聞けるのは、良いことよ！ 』
そして、女性たちは、子供たちに、何をしにきたのか等、どんどん聞いてきた。
気が付けば、そこに子供たちとお年寄りのコミュニケーションが生まれていた。

先日、千葉県市川市で、保育園が開園を断念をしたニュースを見た。
私立保育園が開園を断念した理由は、『 子どもがうるさい 』 という近隣住民からの反対によるらしい。
社会の変化だと思うが、寂しい話だ。
昔は、近所の公園や、道で、遊んでいる子供達の声が聞こえたものだ。
しかし、最近は、めっきり減っている。

昼食で隣になったお年寄りの女性は、うるさい子供達を横に、笑顔で談笑していた。
器の大きな方々だなと思っていた。
そして、子供たちに話し掛け、最後には、 『 サッカー頑張ってね！ 』 と声を掛けて出て行った。
現代社会は、コミュニケーションが希薄になってきている。
そんな中、彼女たちのように、子供たちにコミュニケーションを取ってくれるお年寄りは貴重だ。
彼女たちから、改めてコミュニケーション能力を学んだ。

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