北アルプスの主峰・槍ヶ岳登頂に成功。
猫の額ほどの広さの頂上を親子3代で満喫した。
俺達は、嬉しいはずだった。
しかし、その嬉しさも束の間。
初の槍ヶ岳山頂へのアタックは、恐怖感と戦い、必死で、登った。
岩壁を、今度は降りる事に。
また、あの岩壁を降りるのかと思うと、俺と息子は、完全にテンションが下がっていた。
上ってくるときの恐怖感がハンパなかったからだ。
遊園地のどんなジェットコースターよりも怖かった。
俺も、息子も、今まで生きてきた中で、最も怖かった瞬間だった。
しかし、降りる以外に方法は無い。
誰かが助けてくれるわけではない。
この時ばかり、俺は、ドラえもんの、『どこでもドア』が欲しかった。
頂上から降りる階段は、ほぼ垂直。
そして、命綱無し。
滑れば滑落。
この岸壁なら、何処まで滑り落ちるかは想像もつかない。
さすがに足がすくんだ。
途中から岸壁に鉄の鎖が打ち付けられていた。
その鎖に必死にしがみ付きながら降りた。
槍ヶ岳山荘は、真下に見えるが。。。
親父は、両手、両足の4点中3点は、絶対に岩から離さずに移動しろ、と俺と孫に再三再四言った。
頂上から下へ降りてきた瞬間、孫は、下から写真を撮り待っていた祖母の前でへたり込んだ。
土の地面の上に、ヘナヘナと倒れて、寝転んだ。
俺でも怖かったから、12歳の小学生にはきつかったであろう。
しかし、何とか降りてきた。
フラフラと千鳥足で槍ヶ岳山荘へ到着。
やっと頂上まで登り終えたので
この時が、『 幸せの瞬間! 』
このビールが美味いこと。
サイコーでした!
しかし、こわかった〜。