北アルプス、日本のマッターホルンとも言われる槍ヶ岳へ行く事になった。
以前、息子と実家へ行った時に、親父が息子へ 『 北アルプスへ行くか? 』 と聞いていた。
『 行く! 』 息子は喜んで、二つ返事だった。
俺は、別に気に留める事無く、聞き流していた。
しかし、その数日後、親父からの電話で、それが現実味を帯びてきた。
祖父と孫で行くとなれば、自然の流れで父親の俺も行く事に。
親父は、現在、松本深志高校山岳部OB会の会長をしている。
若い頃から北アルプスに登り、ほぼ全てを制覇している山男だ。
そして、あちこち海外の山へも行っている。
ヒマラヤへ行ったときは高山病になり、緊急ヘリで山から下ろされた。
肺に水が溜まっており、カトマンズの病院に入院した経験も持つ。
俺に 岳生 という名前を付けたのは、親父。
山を愛する親父らしい命名だ。
孫は、今まで祖父母に連れられて近所の山へ登っている。
しかし、3000m級の本格的登山は今回が初めてだ。
山行きが決まってから数ヶ月。
登山靴、ザック、登山服、ハットなどを揃えた。
ほとんどが、祖父母からの借り物とプレゼント。
出発前に実家の前で、余裕の笑顔でばっちり決まっていました。
出発地は上高地。
素晴らしい天気に恵まれて、登山スタート。
俺は、小4の時に、親父に北アルプスへ連れて行かれた。
それ以来なので、約30年振りの登山。
上高地を出発して3時間。
横尾に着いて昼食。
親父が、リュックに背負ってきたガソリンコンロでお湯を沸かし、味噌汁、おにぎりを食べる。
長く歩いた後、それも、緑の中での飯は最高に美味かった。
その後、槍沢の横を延々と歩く。
たまに休憩し、ティータイム。
歩きながら、祖父は、孫の質問に何でも答える。
約6時間かかって、槍沢ロッジに辿り着いた。
ザックを下ろしたら、早速、俺は喉を潤す。
山の上で生ビール。
1日歩いた後のビールは格別でした。
という槍ヶ岳登山1日目でした。