『ニシコーチの子・育つサッカー』を読んでくださった高校サッカー部監督さんから受けた質問、その3。
『 ドイツの中でサッカーとはどういう位置づけなんですか? 』
ドイツでは、サッカーは生活の一部。
夜、友達と食事をしたり、人が集まってビールを飲んだりすれば、必ずブンデスリーガの話になる。
ブンデスリーガが、会話のネタなので、週末、ブンデスリーガを見にスタジアムへ行くのは自然の事。
スタジアムへ行かなくても、テレビ観戦する人が多い。
『 指導者もスタジアムへよく行くのですか? 』
『 みんな行きますよ 』
私が当時ブンデスリーガ1部だった1860ミュンヘンで子供たちの指導をしていた時、クラブの同僚指導者は、皆、スタジアムへ集っていた。
指導者は、普通にブンデスリーガを見に行く。
子供たちにも週末ブンデスリーガを見に行こう! と伝えていた。
週明けのトレーニングでは、子どもたちと、必ず週末のブンデスリーガの話になる。
みんなブンデスリーガが会話のネタだった。
『 日本の高校のサッカー部の先生たちは、Jリーグほとんど見に行っていないと思います 』
『 どうしてですか? 』
『 みんな、週末、長い時間、練習や試合をしているから、Jリーグを見に行ってる暇がない 』
指導者が、そのスタンスでチーム活動をやっていると、そのチームにいる子供たちは、もちろんJリーグを見に行く時間などない。
もし、自分の住む町にプロクラブがあるのであれば、Jリーグを観戦に行くのは自然なスタンスだと思う。
しかし、日本の高校サッカーは、そうではない学校が多いようだ。
以前いろんなところでよく聞いた話。
Jリーグを開催している町で、Jリーグの試合中に、子供たちが地域の学校やグラウンドで練習や試合をやっている。
なぜ、子供たちはスタジアムへ行かないのか?
子どもたちは、行かないのではなく、行けないからだろう。
指導者が、自チームが勝つために、たくさん練習と試合をする。
指導者の勝ちたい欲のために、子供たちは付き合わされているような気がしませんか?
質問をしてきた高校サッカー部の監督さんに伝えた。
育成年代のサッカー指導者は、何のために子供たちに接しているのですか?
指導者が試合に勝ちたいためなのか?
子供たちの心身の健全な成長の為なのか?
指導者のためなのか?
それとも、子供のためなのか?
誰のためにやっているサッカー活動なのかを、今一度見つめ直す必要がありませんかね?